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Les etes de la danse - Soiree de Gala 2010.7.7

夏のパリをダンスで彩るイベント、Les etes de la danse.

2005年より始まったこの催し、6回目となった今年は、ミハイル・バリシニコフ&アナ・ラグーナがTheatre de la Villeでマッツ・エク作品を、そしてノヴォシビルスクバレエがシャトレ座にてクラシック作品を中心に上演することとなった。
(過去にキューバ国立バレエがグラン・パレで公演を行ったときの記録がコチラ

ロシアバレエといえば、キーロフ、ボリショイ、マリインスキー、の3つが知名度が抜群だが、ノヴォシビルスクバレエ団のことを私は聞いたこともなければ、街についてもまったく知識がなかった。
なんでも、ノヴォシビルスクは人口260万人を抱えるシベリアの中心地らしい。1945年設立の劇場の規模はなんとボリショイのそれより大きいとか。いかにも広大なシベリアって感じである。

バレエ団員数は100名。ノヴォシビルスクバレエアカデミー育ちもいれば、ソリストの経歴を見ていると、ワガノワおよびボリショイバレエ学校育ち、マリインスキー劇場からの移籍組など、名門と呼ばれる所で育った人が多いようである。


さて、初日はオープニング・ガラで幕開けした。以下、プログラムにコメントをつけながら。

☆Chopiniana / Les sylphides (ノヴォシビルスクバレエ)

久しぶりのロシアスタイル+ロマンチックバレエ。観ていて自分の上半身も反り返りそうで気持ちが悪くなるほどの(笑)ロマンチックバレエスタイルである。アンオーは低めで丸みを帯び前気味、手の先はひらひら。
ロシア派の上半身の美しさを見せつけつつも、コールドとしては不揃い気味に感じてしまう。
背の高いバレリーナが多く、シャトレ劇場はおそらく彼らにとってなんだか窮屈そうで、踊りにくかったのでは、という感じ。

☆Le Corsaire Pas de deux (海賊のパ・ドゥ・ドゥ)
(Polina Seminova-ベルリンバレエ・Igor Zelensky-ノヴォシビルスクバレエ)

ポリーナの美しく伸びやかな肢体に目が釘付け。ただ画像などで観て思っていたほどには技術的に安定している人ではなかった。しかしこの美貌は現在のバレエ界では貴重でしょう。
海賊というガラ向けの演目で芸術性云々言うものではないので、このくらいで。
ゼレンスキーの男性ヴァリアシオンの出だしをオケが間違ったのが最悪でした。
しかしベテラン。問題なく終わらせた上にあの年にしていまだ衰えぬ驚くべき技術と体力。
華のある舞台でした。

☆Carnavale de Venise Pas de deux (ヴェニスの謝肉祭パ・ドゥ・ドゥ)
(Elena Lytkina & Ivan Kuznetsov-ノヴォシビルスクバレエ)

ノヴォシビルスクバレエ団ソリストの二人。写真を見るとどうもこのElena ではなくAnna Zharovaというダンサーが踊ったのではないかと思うのだが、知らないので確信はない。男性はボリショイバレエ学校育ちだとか。
このバレエ団のソリストのレベルをここで確認。安定したテクニックでなかなかいい。
このPDDを観るのは久しぶりだったが、なんともコ洒落た作品である。
コーダで女性が5番→デヴェロッペ・ドゥヴァンしながら回転するのが珍しく、これまたコ洒落た感じで非常にキュートだった。

☆Le Tricorne solo (三角帽子 ソロ)(Vincent Chaillet-パリ・オペラ座バレエ)

ジョゼ・マルティネスが踊るはずだったところを急遽ヴァンサンが代役で。
プルミエ・ダンスールに上がったとはいえ、彼がソロをこのようにしっかり踊るのを観る機会はまだまだ少ない。なかなか色気があるダンサーでフラメンコのタップを取り入れたこの作品にぴったり。
そして、当たり前のことであるが、オペラ座スタイルはこういった作品においてすら確実に全体のベースにある。流れるような動きの美しいことこの上なし。

☆Tarantella pas de deux (Ashley Bouder & Daniel Ulbricht- ニューヨーク・シティ・バレエ)

バランシンのお膝元からバランシンの作品で参加の彼ら。
昔NYCBの来日公演で初めて彼らを生で見たときには、バランシンばかり踊っているとこんなところに筋肉がつくのか!!!とその上半身のムキムキさに驚いたものである。
今回の二人も、およそ世間のイメージするバレエダンサーという身体からはほど遠い。足は筋肉で太く、速い回転ばかりしているせいか上半身も随分筋肉隆々、ダンサーというよりアスリートのような体つきである。
そしてこの超絶技巧の続くPDDの踊りこなし方ったら!
もう、これはバレエというよりサーカスです。はい。
まぁガラなので、お客は沸く沸く。今夜一番のブラボーでした。

☆Cendrillon Pas de deux (Agnes Letestu & Jose Martinez- パリ・オペラ座バレエ)

言わずと知れたオペラ座のエトワールの二人によるヌレエフのシンデレラ。
日本で行われる「世界バレエフェスティバル」でも毎度感じることだが、
オペラ座の良さは全幕モノにおける芸術性であって、主役も物語に溶け込んでこそ。
他のバレエ団のようにガラで目立つようなこと(カンタンに言えば、足を出来るだけ高くあげたりだとか、たくさん回転したりだとか。)はしないのがオペラ座流儀。
だからいつもこういう場では地味なのがオペラ座。でもそれが静謐な美とでもいおうか、逆に気品が際立つのである。拍手は少なかったけれど、これでこそオペラ座なのでいいのだ。

☆Tchaikovski Pas de deux (Olessia Novikova & Leonid Sarafanov - サンペテルスブルグ・マリインスキー劇場)

あまりバランシンダンサーではない様子の二人だったが、マリインスキーの気品と技術をしっかりと見せ付けたPDDだった。綺麗にまとまりすぎの感もあり。バランシン的な音がはじけるようなエネルギーがもう少しほしかった気も。

☆Flammes de Paris Pas de deux(パリの炎パ・ドゥ・ドゥ)
(Elena Lytkina - ノヴォシビルスクバレエ& Ivan Vassiliev -ボリショイバレエ)

少し前にボリショイからの映画館中継で「パリの炎」の全幕を観た。
その時強烈な印象を残したのがワシリーエフ!!!
この、ザ・ボリショイ的な身体(長細い線的なオペラ座のダンサーとは対照的に、男性的で非常にマッチョ!)と男性的な踊りに目を丸くしたものだが、再び、しかも生で観る日が来るとは!
いやぁ、もうなんとも形容できない。ボリショイを観るといつも、これもバレエ。うん、これもバレエ・・・・とスタイルのあまりの違いに呆然とするのです。

☆Les danses polovtsiennes
(ノヴォシビルスクバレエ)

というわけで完全なボリショイスタイルでのこの締めの作品。ノヴォシビルスクバレエが総出。
どうやらショピニアーナよりも踊りこなしていて本領発揮といった様子に、バレエ団のスタイルをはっきりと見ることができた。
何度もボリショイの舞台について書いたときにこのブログで書いているが、バレエというよりは某国のマスゲーム、国威発揚のための舞台、といった感じである。



というわけでNYCBから欧州・ロシアまで、ありとあらゆるスタイルのバレエを一晩で堪能。
太陽王ルイからの気品あるフレンチバレエが好きな私だけれど、たまにガラを見るとやっぱり心が躍る。
どんなスタイルでも、人を喜ばせる踊りというのは素晴らしい。
そんな夜でした。

チケットが高かったので誰も誘わなかったのですが、こういうのこそバレエ鑑賞の初心者に楽しみをわかってもらうのにいい機会だったような気がして、ちょっと後悔。
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by chihiroparis | 2010-07-09 02:52 | ballet+danse | Comments(0)
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