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Le lac des cygnes - ballet de Novossibirsk

先日に引き続き、"Les etes de la danse" という企画でパリはシャトレ座で公演中のノヴォシビルスクバレエ。7月15日は主役にベルリン国立バレエのポリーナ・セミオノワを迎えて、ロシアバレエの十八番「白鳥の湖」の上演となった。

ポリーナはボリショイバレエ学校出身、かのマラーホフが見出し、若くしてベルリン国立バレエのプリンシパルの座についた話題のダンサーである。
ボリショイ育ちの彼女がノヴォシビルスクバレエをバックにどのような白鳥を見せてくれるのか、期待度満点で出かけた。

今回の「白鳥の湖」はゼレンスキー版という新作だそうである。
最近はオペラ座でヌレエフ版ばかり見ていたので、それとの比較で見る形になった。
バレエ団としては本領発揮といったところだろう。
何しろ、当たり前のことだが、ロシアスタイルはこのような作品を踊るためのスタイルなわけだ。
ロシアスタイルによるロシアバレエ・・・!


幕が開けて一幕。久しぶりの道化がいるバージョンだ。
舞台を引き締める道化役は、主役を食うほどの跳躍・回転でスパイシーなのが理想的だと私は思うのだが、今回の道化はちょっとお行儀がよすぎた様子。どれもソツなくこなしていたし技術も相当だと思うが、何かが足りない。この役には目を見張るほどのパンチを期待していたのでちょっと残念。

王子(ノヴォシビルスク・バレエのRoman Pollovnikov)は少し太めすぎる。
ダンス・ノーブルというのは、その立ち居振る舞いや踊り方だけでなく、身体のライン全体でノーブルさを表現するものだと思う。白鳥のお相手であるジークフリードにはもう少しラインのきれいなダンサーがいいと思うのだが。

パ・ド・トロワの男性(Semyon Velichko)が非常にノーブルで技術量も高く素晴らしかったので、おそらく彼が他の日には王子を踊るのではないかと。この人のほうが見てみたい感じだった。


二幕からが圧巻。ザ・ロシア全開!!!
コールドバレエは、確かにオペラ座と比較したら体の作りがバラバラであったり、足先の処理が甘いと感じたり、いろいろ気になるところもある。

がしかし。

ロシアスタイルでこれだけの人数が白鳥を踊ったときの迫力ったらない。
上半身をフルに使った流れるような動きと、これまた流れるような足の動き。

そしてポリーナ演じる白鳥オデット。
出から圧倒される。その情感に溢れる表現力。
オデットが王子と出会い、はじめおびえていたのが恋に変わっていく様子。
大好きなこの場面の音楽と共に、心が震え、こんな見慣れた古典の作品だというのに・・・涙が出た。

素晴らしい二幕だったとしか言いようがない。
ただ、バックがロシア派でなかったら、もしかして、ポリーナの動きが少しうるさく感じられたかもしれない。
白鳥というバレエ中のバレエは、日本舞踊のようにすべてをそぎ落として究極のシンプルさによって表現することが重要だといつも思う。ガラなどで若手が踊ると目に明らかなのだが、その段階にたどりつけていないと、バタバタと羽をしょったような、白鳥を「演じている」ものでしかないことが多い。
ポリーナの白鳥も少しそういう意味では「何かまだそぎ落としきれてないもの」があったようにも思うし、いや、それがロシアスタイルの表現の大きさなのではないか、最近久しく見てなかったからじゃないの、という気もする。ただ一つ言えるのは、ノヴォシビルスクの(おそらく)ボリショイスタイルとポリーナの踊りは最強にマッチしていて客席を圧倒していたということだ。


三幕。これまたド迫力だった。
その美貌にとても似合う黒い衣装で王子を「目で殺す(魅惑する)」ポリーナのオディール。
強い足さばきでオディールの悪が表現される。
ロットバルトは、威厳と重みよりは跳躍など身の軽さを使った動きで空にはばたくことでその怪しさを表現するタイプで描かれていた。

四幕、最後はオディールがその悲恋に身投げをし、王子も後追いで身投げをするという悲しい終わり方だった。


全体としてとにかく圧倒された、の一言。
「十八番」、とはこういうものである。と言う感じ。
すべてがこれを踊るために教育されてきたのだから、当然の結果ではあるのだけれど。
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by chihiroparis | 2010-07-17 10:03 | ballet+danse | Comments(0)
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