La Bayadere - Novossivirskバレエ

引き続きシャトレ座にてパリの夏にロシアの風を吹き込むノヴォシビルスクバレエ。

ガラ・バランシンプログラム・白鳥の湖に続き、最後は「La Bayadere」。
7月20日、主役にディアナ・ヴィシニョーワを迎えた日に観た。

ヴィシニョーワについては、オペラ座での客演(「マノン」「ドンキホーテ」)を観ているし、日本でも何度も観ているのだが、毎回とあるちょっとした違和感を感じていた。今回、おそらくは同じスタイルの踊りであるノヴォシビルスクをバックにしたときにはどうなのかなと思いながら見た。

そして、今回も感じた。
私にとって、彼女は技術的には完璧なのだが、何か予定調和的な踊りというのだろうか、偶発性が感じられないのだ。
偶発性・・・パートナーとの間で気持ちが通い合って起こる化学反応みたいなもの。
役に入ることで起こる感情の湧き起こり。
なんだかそれが伝わってこない。

ロシア派特有の大きな振りがオペラ座と合っていなかったから、と以前は思っていたのだが、割と近いスタイルの踊りのコールドを後ろにしても、そうだった。彼女自身は完璧だが、一人きりで踊っているような。
ナルシストというのか。相手がゼレンスキーでなければまた違うのだろうか。
しかしソロは素晴らしかった。2幕のニキヤのヴァリアシオンの圧巻だったこと。カラクチに言えば、それでニキヤの悲しみが伝わってきたかどうかは別なのだが・・・。圧巻、であったことに間違いはなく。

相手のゼレンスキーはがんばってはいたものの、やはり年齢は隠せない。
しかし、国際的なキャリアを積んだのち、衰退の一途をたどるロシアバレエを復興させるべく一肌脱いでいる彼の努力をたたえたい。優秀なダンサーは海外に流出するばかりという状況の中で、彼はノヴォシビルスクに戻り現在バレエ監督をつとめ、ガスなどによる新興成金がバレエという文化に理解がないという難しさを抱えつつも、資金を集めようと必死で努力をしているそうだ。また、作品もソ連時代の古びた趣味のものだけでなく、現代化につとめているとか。(来仏を記念しいくつかの新聞でインタビュー有)

全体への感想としては、まず衣装の趣味の悪さに幻滅。
それぞれの国には独特の色彩感覚があるものであり、それは最低限リスペクトしたいと思のだが、そうはいってもちょっと私には理解し難いものだった。ソロルの衣装はパジャマのよう(薄い水色)だし、そもそも縫製のせいか、男性の衣装が体に合っておらずモタついて見える。もちろん、このあたりは、ふんだんにオートクチュールの技術を投入できるめぐまれた環境のパリ・オペラ座と比べてはいけないことくらい分かっているが。色の問題はまた別だろう。
インドが舞台なのになんとなく男性の衣装がロシア風でピョートル何世だとかって感じなのはご愛嬌。

そんなこともあって1幕・2幕はげんなりとした感じで見ていたのだが、3幕、バレエ・ブランのロシア派はやはり素晴らしかった。ヴィシニョーワの大ぶりの踊りも、コールドとマッチして大きなウェーブを客席に送り込んできたような感じだった。ロシア派は本当にバレエ・ブランで本領を発揮する。
ソリストのレベルも高い。第1・3ヴァリアシオンの二人がとりわけ脚も強く音楽性もあり良かった。


結局「バランシン・プロ」以外全て見てしまったわけだが、いろいろと辛口に書いてみたものの、ここのところヨーロピアンスタイルのバレエばかり見ていた私の目にこのロシア派の表現の豊かさが新鮮に映ったことは間違いない。どこも資金難で苦しいようであるが、是非バレエ史において重要な地位を占めるロシア派に今後も発展を続けてほしいと願うばかりであった。
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by chihiroparis | 2010-07-22 01:23 | ballet+danse | Comments(0)

主にバレエ評


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