saison 2010-2011 Soiree de GALA 30e anniversaire de l'AROP

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↑何度もガラは行ったけれど、ここまでしているのは初めて!びっくりゴージャス。


AROPはオペラ座へのメセナ活動を行っている支援団体であり、毎年様々な企画を主催しているが、今年はその設立30年を祝うガラ公演があった。

前半はバレエ、後半はオペラ。盛りだくさんのプログラムに、華やかに花でデコレーションされたガルニエ、
そしてドレスコードあり(男性は黒タイ、女性はソワレ)。
もっとも高い席が3000E、というあたりからこのくらいのことは事前に予測できたのかもしれないが、入り口にはtapis rouge、赤絨毯まで敷いてあって、gendarmerie(憲兵隊)がお出迎えときて、さらには司会はTVでおなじみのStephan Berne ・・・と様々なガラ公演をガルニエで見てきた私も腰が抜けそうなほどの驚きの豪華さであった。

バレエのプログラムは以下のとおり。

・デフィレ
・チャイコフスキー・パ・ドゥ・ドゥ(ドロテ&アレッシオ)
・パキータよりグランパ・ドゥ・ドゥ(アニエス&ジョゼ、コールドと学校の子供たちのマズルカつき)
・ベジャールのボレロ(ニコラ)

(ちなみに後半はオペラ・ガラ。)
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デフィレはオペラ座の真髄だ。
学校生からコールド、そしてエトワールまで、オペラ座所属のダンサーが歩く。歩く。歩く。
それだけだ。
しかも衣装は、白(学校の男の子は下が黒タイツであるが)、チュチュも非常にシンプルなもの。

それが美しいのだ。なぜにもこんなに美しいのだ。
ダンサーの鍛錬された身体とその身のこなし自体が芸術作品だからだろう。
フィナーレで全員が揃ったときには、その美しさに圧倒され、涙がこぼれた。

幸運なことに何度か観ているデフィレだが、年に何度もやるものではなく、現地在住でなくなった今は次にいつ観られるかわからない。きっとこれが私にとって、ジョゼの最後のデフィレになるのだろう、いや、デフィレ自体最後かもしれない、などと思うと、胸が熱くなった。



チャイコフスキー・PDD。

予定されていたマティアス(エイマン)にかわりアレッシオ(カルボンヌ)が配役され、ドロテ(ジルベール)と夫婦競演となったこのパ・ドゥ・ドゥ。
ガラの折には上演されることが多く、今まで印象に残るものとしては、クロード・ベッシーガラのときだったかの、オレリー・デュポンとエルヴェ・モローという当時(今もだが)”時の人”二人によるキラキラと輝くような競演が記憶に残っている。

ドロテはテクニシャンだし、バランシン・スタイルのために相当な注意を払って踊っているのが伝わってきた。ただやはり彼女の踊りは、例えばオレリーと比べたときに、どうも品に欠ける。クリっとした大きな目、はつらつとした踊り、といいところも多く、パキータやドン・キホーテ、そして現代作品では映える彼女なのだが、どうしてもバランシンのような、究極に本人の踊りのシンプルさが追求された上にそのスタイルを乗っけていくような踊りではアラが目だってしまうような気がした。それでもやはり、あれだけの技巧でこの難しいヴァリアシオンを踊りこなせるダンサーはなかなかいないとは思う。

アレッシオはバランシンには重い感じだ。もっと切れ味のよいシャープなダンサーでないと踊りこなせないような気がする。

しかし二人とも、共演の喜びが伝わってくるような爽やかな空気が漂っていたのは良かった。
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パキータ。
DVD化されたこの作品でも主役をつとめた、ジョゼ・マルティネス/アニエス・ルテスチュが主役、コールドもついて豪華な3幕グランパからの抜粋。
この場面は本当にガラ向きだ。バレエにこういった場面は実に多いが、お話的にはあまり意味がなく(大抵は主役の結婚式である。めでたしめでたし。)、festif(祝祭的)で、まぁとにかく踊りを楽しむ、そういった場面だ。

アニエスのいつもながらのしっかりとしたポワント使いに”やりすぎ感”のないオペラ座流エレガンス、そしてジョゼの身体のラインから生み出されるひたすらに洗練された動き(グランジュテが衰えることなくいつも美しいこと!)。本当に安定した組み合わせである。大好きな二人、引退までたくさん一緒に踊ってほしい、とただただ思うのであった。

余談だが、コールドの衣装の青いほうが、なんだかホタテに見えて仕方ない、とは隣のE氏(笑)
これら手のこんだ衣装も、伝統を誇るオペラ座衣装部の職人技の結晶。本当にどれも美しい。

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そして本日のメイン(勝手に)、ベジャールのボレロ。
もはや伝説ともいえる存在であるジョルジュ・ドンであまりに有名なこの作品、
今宵の主役(「メロディー」)はニコラ・ルリッシュ。


ニコラのボレロを見たのはかれこれ数年前になる。
バスティーユでベジャール特集が組まれた、いつだったかの7月だ。
数年たって、年とともに踊りにさらに円熟味が増していっている彼がまたどう踊るのか大きな期待を持ってのぞんだ。


この作品、人間の身体が、20分かけて楽譜のクレッシェンドの記号を表現しているかのようだ。
静かに現れたダンサーの身体が、徐々にエネルギーを押し出すようにして、赤く、汗をかき、最後には迫ってくる。見るものに視覚的に、そして心理的にも。
身体の無限性をいつも感じる作品だ。身体の、と一般化するより、ニコラの身体の、と言ったほうがいいかもしれない。彼の踊りの持つ底知れないエネルギーにはいつも驚かされるばかりだ。

まわりの男性ダンサー(「リズム」)がいい。
やはり日本のバレエ団がやるときとは、体格が違う。
こういった、身体が視覚的にも楽器となるような作品ではその違いが明らかだ。
最初、男たちは、立っているだけだ。目つきと、上半身だけで「表現」するのだが、その存在の集合は圧倒的だ。
そして、徐々に腰をうねらせる。次に、筋肉が躍動するまでの動きに至る。
「メロディー」を支える「リズム」にこのようなダイナミクス性がなくては成り立たない作品だ、とあらためて感じた。

どれも何度も観たもので目新しい作品ではなかったものの、AROPという寄付・支援団体に対し、古典を保存し現代の作品にものぞむオペラ座の今を伝えるバランスの良いプログラムだったのではないだろうか。
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オペラは完全に割愛。嫌いじゃないですが、めんどくさいので(笑)、オペラ研究の専門家であるてんたまちゃんのブログあたりをごらんくださいませ。

ほんとのところは、幕間にとっても美味しいシャンパンが振舞われて、酔っ払ってしまって(え!?)。
終演後はオペラ座ファン御用達cafe、L'Entracteで一緒に行った4人で乾杯。なかなかこんな風にドレスアップして友人たちと出かける機会なんぞ普段ないものだから、なんだかもうウキウキしてとっても楽しい一夜でした。
Viva オペラ座。
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by chihiroparis | 2010-12-01 01:50 | ballet+danse | Comments(0)

主にバレエ評


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