Une vie de ballets ーラコットとテスマーのドキュメンタリーー
2012年 09月 15日
Une Vie de Ballet(邦題「バレエに生きる パリ・オペラ座のふたり」)。
オペラ座の往年のプルミエ・ダンスールとエトワールで今も指導者としてオペラ座を支えるピエール・ラコットとギレーヌ・テスマー夫妻のドキュメンタリー。
この二人、二人揃ってああだこうだと言い合いながら稽古をつけている微笑ましい様子がワイズマンの撮ったオペラ座ドキュメンタリーなどでも出てきましたが、客席で見かけるときもいつも一緒です。二人の美意識の根源みたいなものが日々の映像に映るあれこれから見えてきます。本当に今時珍しいくらいクラシックな好みの人たちなんですね。
ラコットは、パキータなど古典を蘇らせた振付家という意味では評価したいのですが、この映画に出てくる昔の作品等は、ちょっとダサいジーン・ケリー風というか何とも言えないあか抜けない感じの振付けが好みではありません。
しかし近年マリー=アニエス・ジローとマチュー・ガニオに振付けた「La veuve joyeuse」などは、同じテイストなのに何ともスタイリッシュですから、踊り手の力ってすごいな、なんてあらためて思ったりもしました。「三銃士」然り、です。(これら後半の現代の映像は未公開のものも多く必見です。)
映画では70年代〜現在までの数々の資料価値のある映像が楽しめますが、なんといっても1972年のギレーヌ・テスマーとミカエル・ドナールによる「ラ・シルフィード」は特筆すべきものでしょう。あまりに美しい。美しい、美しい!気品といい、美しさといい、テスマー&ドナールは本当に歴史的名パートナーシップです。
それにしてもこれだけの日常生活の映像、夫婦で撮り合ってたのでしょうか。謎です。
あれだけギレーヌ・テスマーが美しければ、まぁ夫としては日々8ミリビデオを回すってもんでしょうか(笑)いやぁ、ほんとに美しいです、ギレーヌ。
ワイズマンの作品と違って、オペラ座ファン以外にはあまりおすすめできませんがなかなか楽しめました。
by chihiroparis
| 2012-09-15 12:48
| ballet+danse