La fille mal gardée (2012-2013英国ロイヤルバレエ映画館中継)

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随分前の鑑賞記録になってしまったけれど、2012-2013英国ロイヤルバレエの映画館中継で
今を輝くスティーブン・マックレー&ロベルタ・マルケスによる「La fille mal gardée」(1960年フレデリック・アシュトンがロイヤルバレエに振付、1960年初演)。

なんてハッピーな鑑賞後。ハッピーすぎて泣きながら見終えるという。二人の弾けんばかりの笑顔と、幸せをステップで表したらこんな感じだよ、というアシュトンのステップと。とりわけ、まるで楽器のようなマックレーの奇跡の脚とそこから生み出される幸福感!
二人とも脚力と、それを持っている人にしか出せない脚の表現力が素晴らしい。
一幕出てすぐのマルケスのエシャッペルルべ、それだけで魅せる!このアンデオール!とはっとした。すごく胴体がしっかりしていて(とりわけ背中)、その強さから生まれる動きー例えばアラスゴンドの脚などはキレがあってとてもよかったーが素晴らしいと思った。
スティーブン・マックレーについては言及するまでもないだろう。場面転換に幕前でコーラスの見せ場の二番ジャンプ、役の若さと恋する青年のウキウキを存分に表現したジャンプ!まるで彼のために作られた作品かと思うほどだった。

以前は正直さっぱりこの作品の良さがわからなかった。何か古くさいバレエだ、くらいに思っていた。オペラ座が上演したのを見て面白さに目覚めたのだが(※ログを見てみたが、これ私記録残してない。。。)、本場ロイヤルのはまた違った。
本場の上演はいい、とはシュツットガルトのじゃじゃ馬ならしを見た時にしみじみ感じたことだが、端役の隅々まで振付家の意図が伝承されていて、何しろ舞台が"生きて"いる。細かい技術的なことはこういう場合どうでもよくなる。こういう舞台を見たときの幸福感たら。

映画館中継シリーズでお得なのは、インタビューや舞台裏が幕間に流れること。アラン役の振付についての話が面白かったのでメモしておきたい。
アランは世間知らずで純粋な青年役だが、独特のリズムで踊る。この動きだが、アシュトンが戦時中振付の仕事をしていたというボードビルから来ているそうだ。
初演の際シモーヌを演じたダンサーはもともとタップダンサーだったという。今回踊ったフィリップ・モスレイは、バレエを始める前幼少時にタップをやっていて、ぜひこの役をやってみたいと思い続けていたそうだ。

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ロイヤルが伝統的に得意とする演目を考えながら、今さらだがやはりギエムは多少息苦しさを感じていてもオペラ座のほうがその素材が生きたのではないか、などと考えていた。国家的損失などと騒がれたわけだが...ロイヤルにはマルケスやロホ、コジョカルのような持ち味のダンサーに似合う役が多い。

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この英国ロイヤルバレエの映画館中継、2013-2014シーズンも行われる。ありがたいことですね。
日本のサイトがこちら
ロイヤルのサイト内のこの企画のページはこちら(配役が載っています)
バレエはドン・キホーテ、くるみ割り人形、ジゼル、眠りの森の美女。クラシックの有名なものばかりで、もう少し最近の作品もやってほしいなと正直思いますが、現地に行かずとも見られることに感謝。バレエを初めて見てみようかな、という方には劇場に足を運ぶよりお安くて良いのでは。
オペラはトゥーランドット、ドン・ジョバンニ、冬物語、マノン・レスコー、となっています。
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by chihiroparis | 2013-09-09 17:23 | ballet+danse | Comments(0)

主にバレエ評


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