マノン@ROH

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ロイヤル・バレエでマノン@ロイヤルオペラハウス。
初日、マノンにマリアネラ・ヌレェス、デ・グリューにフェデリコ・ボネッリ。

オリジナルのカンパニーで見る良さを存分に堪能する。

見始めは正直、普段この作品を見慣れているパリ・オペラ座との違い(とりわけ踊りのスタイル)に戸惑っていた。
なんだかポールドブラがせわしない気がしたし、ダンサーたちの身体がやたら筋肉質なのが気になって仕方なく。

ほどなくしてストーリーにぐいぐいと引き込まれる。
主役からコールドの端の端まで、舞台に何かしらの一貫性があると言ったらよいのだろうか。
さすがはこの作品のオリジナルカンパニー、そこで伝承される細やかな演技指導というものがきっとあるに違いない、と感じた。

主役二人。ラテンの血が生きていた。こんなにマノンへの愛情が全身から溢れ出るデグリューはそうそういない。なんて愛情深いデグリュー。
もう見ていてマノンになった気持ちでフェデリコの一心な愛情を受け止めてた私(笑)。
フェデリコの特に良かったのが2幕、なんでだよ、愛し合ったじゃないか、とあのピルエットから膝まづきに入る振付での強い愛の訴え。一幕でのエレガントな愛の告白とは違う表現。そして3幕のあり得ない包容力.....!

マリアネラは前半、少し上品さに欠けるかな?エレガントではないわ、その笑い方庶民のお嬢さんみたいよ、と思ったけれど、よくよく考えてたら普段見ているオペラ座のマノンがきっとマノンにしては上品すぎるのだ。
ファムファタル、こんなもんでいいんじゃない。
というのもそのほうがいつもあまりしっくりこない2幕に説得力があったのだった。
マクミランはマノンを純粋な女性だと読んだとのこと。
純粋さ・無垢さゆえに男の人生を狂わせたファムファタルということか。

脇が名役者ぞろいなのもロイヤルならでは。中でも看守を演じたGary Avisの演技はいつもそうだが他に類を見ないもの。欲望にまみれた男をなんと強烈にしかも下衆いのに上手にセクシーに演じたことか。こういうキャラクターダンサーがいるのがロイヤルの強みだ。

なんの作品でもオリジナルのカンパニーで見てみるのは本当にいいものだ。ああこうだったの、と作品の広がりと深みが感じられる。
結局そんなわけで見終わってみればさすが役者揃いのロイヤル、ストーリーにどっぷり浸からせてもらった。こういう時は結局踊りの細かいことはあまり気にならないし、言うのも野暮な気がする。「演劇」を堪能した。

*****
同じ配役で10/16(木)現地映画館、そして翌10/17(金)には日本で映画館中継があります。
新宿バルト、大阪梅田ブルグ、他。見逃せません!



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by chihiroparis | 2014-10-12 13:40 | ballet+danse | Comments(0)

主にバレエ評


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