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「BIT」Maguy Marin @Théâtre du Rond-Point

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もう一つ2月の舞台。
Théâtre de la ville工事中につきThéâtre du Rond-PointでMaguy Marin。いやー・・・フランス人こういうのほんと好きだよね・・・満席。
舞台には7枚の板というか坂が設置してある。男女7人ほどのダンサーが手を繋いで出てきて、リズム系の音楽に最初は簡単なステップを踏んでいる・・・だけなのだが、これが段々と板を登りながらだったり走ったりと激しくなっていく。
真ん中の板から赤い布が降りてきたと思ったら男女が皆全裸で(男性はかろうじて腰に布巻いてるけど)寝た状態で肉体を絡ませながら降りてきたり、二人一組でオーガズムを連想させる動きをしたり。かと思うと一人の女性が板の上に男性に追い詰められるように登って後ろに落ちるなどレイプによる暴力と自死を想像させるような箇所もあり。最後はまた皆ちがう服着てステップステップ、ずっととにかくビートに乗せてステップを踏む1時間。
特にストーリーやプロットはなくてリズムから振り付けが始まったとはマギー・マラン談。
ルードラ出身だけどダンツシアターの影響も大きそうだなぁと思いながら見ていた。衣装はエクのいくつかの作品(アパルトマン等)のような多色(シビラのような)で普段着的。途中着替えて、最後は色味少なめの衣装で終わる。

いやー、どちらかというとかなり苦手、苦手、苦手。面白いと思う人がいるのはわかるのだが。一つは言語的(ステップを踏むだけというのが大方)な点。この手のものが面白くなるには踊り手の身体に魅力がないと私の場合惹かれない。もう一つは演劇的な側面における性の表現。どぎついものが苦手というわけでは決してない。しかしこの作品における表現はまったく共感もできなければ嫌悪感という形で強く訴えかけて来るものでもなく。
ちなみになんだかフランス映画を見ているような感じ。とてもフランス的作品だと思う。そういえばスイスの演劇ユニットZimmermann とde Perrotがモロッコのサーカス集団に振り付けた「Chouf Ouchouf(シュフ・ウシュフ)」の世界観とも似ていた(※こちらは性的な場面は全くない)。なんだろう。なんだかよくわからないけど南欧から地中海にかけての文化的なものを感じるということを書き留めておこう。

劇場は今まで縁がなくて初めて中まで入ったのだが、キモ可愛い劇場キャラクターといい内装といいキッチュでとっても好み。今度また中のサロンでお茶でもしに来たいところ。
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書店は演劇・コンテンポラリーダンスの資料が充実している。
こちらもキモ可愛い絵に一目惚れして子供用の戯曲を一冊買った。「痩せっぽっちの女王」とでも訳せばいいかな。
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by chihiroparis | 2017-04-09 11:03 | ballet+danse

主にバレエ評


by chihiroparis