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最近見た映画~"Arnacoeur", "L'italien"

備忘録がわりに見た映画をたまにここにエントリーしてますが、結構たまってきてしまいました。

ここのところ飛行機の移動も多く、映画館以外でもかなり見ています。

さて。

☆「Arnacoeur」
f0008907_029363.jpgロマン・デュリスとヴァネッサ・パラディによる、こ洒落た恋愛モノ。
デュリス演じる男は「別れさせ屋」。
顧客の依頼を受け、いろんな男を演じては女性を誘惑し、心を奪う。
でも肝心なところでちゃんとお断り。だって彼は別れさせ屋なので。

ところが今度の顧客が依頼してきたヴァネッサ・パラディ演じるお嬢様とは・・・?

まぁありがちって言ったらありがちなストーリーです。
でもモナコを舞台にしながら、フランスらしい男女のやり取りで進んでいくお話はやっぱり引き込まれてしまう。

なんせタイトルが粋!!!これだけで見たくなるでしょう!
Arnaquer(だます)→Arnaqueur(詐欺師)この「クール」の音のところに、「クールcoeur(心)」を入れてきたというわけ!

日本語にしたら何になるかしらね?と話していたら、この方曰く、「甘クール」なんてどう、と。うん、なかなかじゃない?(^^)
プロがどんな邦題をつけてくるか、これも楽しみです。


☆「L'italien」
f0008907_0332172.jpgイタリア人ディノはニースで車のディーラーをしている。彼女とも円満。しかし彼の本当の名はムラッド、そう、彼はマグレブ出身のイスラム教徒なのだが、イタリア人と偽って暮らしているのだった。そんな折、彼の父が病に倒れる。今年のラマダンはお前にまかせた、と言われるディノ。イスラム教徒であることを隠している身で、職場にバレずにラマダンを行うのは相当難しい・・・。

移民差別や、移民の彼ら自身のアイデンティティの問題などを扱いながらも、あくまでコメディ。ハッピーエンドにもしてあって軽いタッチで非常に見やすいと思うが、提示される問題は重い。
こういった話題の映画が日本に入ってくるのかちょっと不安だが。ぜひ入ってきてほしい。
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by chihiroparis | 2010-12-22 00:41 | cinema | Comments(0)

Jose Martinez, noveau directeur de la Campania Nacional de Danza

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バレエファンにビッグニュースが飛び込んできました。

言わずとしれたオペラ座のエトワールであり、振付家としても活躍中のジョゼ・マルティネスが、スペイン国立バレエの監督に就任、と!


そろそろ引退年齢が近づいてはいたジョゼ、いつ引退するのか、時期についていろいろ噂が流れてはいました。
フィガロ紙がフライング記事を飛ばしてしまい彼が否定したことも。いろいろ裏の政治のやりとりをつかんでいたからかもしれませんね。


というのも、政府側としてはここをきちっとしたクラシック・カンパニーにしたいということで、現監督のナチョ・デュアのコンテンポラリー路線を否定する形での人事を探っていたようです。


ちなみに追い出された、ともっぱらの噂のナチョ(任期を残しているからだと思いますが)は、ロシアのミハイロフスキー劇場に移籍。ナチョが行き先を探していたのかもしれませんが、いずれにせよコンテンポラリーが不毛気味のロシアから請われてという面もあるでしょうから、興味深いですね。ヨーロッパでは古典を必要とし、ロシアでは現代化を望む。コンテ化しすぎたと言われているヨーロッパのバレエ界の方向性が変わる一つの出来事かもしれません。


ノーブルさにかけてはいまだ後を追える後輩が出ていない状態で引退することになるジョゼ。
あの究極のエレガンスを、ぜひスペインで伝えていってほしいと思います。


さてと・・・スペイン行き決定ですよ、ちひろさん(笑)
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by chihiroparis | 2010-12-18 13:17 | ballet+danse | Comments(0)

Cafe Rokuyo-sha 喫茶・六曜社

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いわゆる純喫茶、古臭い「かふぇ」(アクセントうしろ、のばしぎみで・笑)、が好きです。

神保町・御茶ノ水近辺に勤めていたころ、あのあたりの喫茶店をめぐるのが愉しみでした。
ロドリゴ、ミロンガ、さぼぅる、神田伯剌西爾、李白、お茶の水駅前すぐ路地入ったあそこは名前なんだったかしら、そして浅草まで足をのばしてアンヂェラス、はたまた神田須田町は日本風に竹むらだったり、etc...もうあげられないほどあちこち行ったものです。


京都・三条河原町、六曜社カフェ。

渋いのみつけたー!と感動。ここで本を読む幸せ。


そういえば、もう少し時間が経ちましたが、地元国立(東京)の邪宗門が閉店したそうで。
名物マスターが亡くなり、店員がその真髄を保ちながら続けていくのは無理、となったからだそうです。
マスターありき、のお店でしたものね。
世界中の船の部品に囲まれて、会話もできないほどの大音量でかかっているシャンソンの中に身をうずめる時間が大好きだったので、それはそれはショックでした。知っていたら最後行きたかった。

子供の頃、マスターと町ですれちがっては、いったいこの人は何者!?と彼が只者ではないことを子供ながらも想像する、そんな粋で風変りなマスターでした。あの世代には珍しいほどの大男で、ロンドンブーツを履いて、首にバンダナ。船乗りだったという噂ですが、本当のところ、どんな人生っだったのかもっとお聞きしたかった。

マスターのご冥福をお祈りします。


邪宗門なき国立、ってなんだか国立じゃないみたい。
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by chihiroparis | 2010-12-11 15:49 | Kyoto-Cafe | Comments(0)

Souvenirs d'Adieu

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パリからの引っ越しの際、こんな大事にしてたものたちが出てきました。

オペラ座では、ダンサーが現役最後を飾る公演をする日のことをアデューというのですが、
この日、観客にはそのダンサーの現役時代の模様をコラージュしたポスターが配られます。
無料で!

私が持っているのはこの二枚。


色気がありつつ端正な踊り、オペラ座初のマグレブ移民出身エトワールだったカデール・ベラルビ。
ヌレエフの真髄を伝える最後の世代である、言わずとしれたローラン・イレール。現在はオペラ座のMaitre de Ballet。

帰国して、さっそくポスターケースを買って、部屋に飾っています。
眺めていると、それぞれのダンサーの数々の舞台の記憶がよみがえります。

イレールは、なぜかしら、マクミランの「マノン」が鮮明に。麗しいそのデ・グリューの姿は当時、他の追随を許さないオーラがありました。
カデールは、私にとって、コンテンポラリーの人、なのです。マッツ・エクの「ジゼル」でのアルブレヒト姿が印象的。

他にもいろいろ観ているのに、この人といえばあの、という姿が観客それぞれにあるものですね。


記憶とともに、大事な宝物。
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by chihiroparis | 2010-12-11 15:27 | ballet+danse | Comments(0)

saison 2010-2011 Soiree de GALA 30e anniversaire de l'AROP

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↑何度もガラは行ったけれど、ここまでしているのは初めて!びっくりゴージャス。


AROPはオペラ座へのメセナ活動を行っている支援団体であり、毎年様々な企画を主催しているが、今年はその設立30年を祝うガラ公演があった。

前半はバレエ、後半はオペラ。盛りだくさんのプログラムに、華やかに花でデコレーションされたガルニエ、
そしてドレスコードあり(男性は黒タイ、女性はソワレ)。
もっとも高い席が3000E、というあたりからこのくらいのことは事前に予測できたのかもしれないが、入り口にはtapis rouge、赤絨毯まで敷いてあって、gendarmerie(憲兵隊)がお出迎えときて、さらには司会はTVでおなじみのStephan Berne ・・・と様々なガラ公演をガルニエで見てきた私も腰が抜けそうなほどの驚きの豪華さであった。

バレエのプログラムは以下のとおり。

・デフィレ
・チャイコフスキー・パ・ドゥ・ドゥ(ドロテ&アレッシオ)
・パキータよりグランパ・ドゥ・ドゥ(アニエス&ジョゼ、コールドと学校の子供たちのマズルカつき)
・ベジャールのボレロ(ニコラ)

(ちなみに後半はオペラ・ガラ。)
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デフィレはオペラ座の真髄だ。
学校生からコールド、そしてエトワールまで、オペラ座所属のダンサーが歩く。歩く。歩く。
それだけだ。
しかも衣装は、白(学校の男の子は下が黒タイツであるが)、チュチュも非常にシンプルなもの。

それが美しいのだ。なぜにもこんなに美しいのだ。
ダンサーの鍛錬された身体とその身のこなし自体が芸術作品だからだろう。
フィナーレで全員が揃ったときには、その美しさに圧倒され、涙がこぼれた。

幸運なことに何度か観ているデフィレだが、年に何度もやるものではなく、現地在住でなくなった今は次にいつ観られるかわからない。きっとこれが私にとって、ジョゼの最後のデフィレになるのだろう、いや、デフィレ自体最後かもしれない、などと思うと、胸が熱くなった。



チャイコフスキー・PDD。

予定されていたマティアス(エイマン)にかわりアレッシオ(カルボンヌ)が配役され、ドロテ(ジルベール)と夫婦競演となったこのパ・ドゥ・ドゥ。
ガラの折には上演されることが多く、今まで印象に残るものとしては、クロード・ベッシーガラのときだったかの、オレリー・デュポンとエルヴェ・モローという当時(今もだが)”時の人”二人によるキラキラと輝くような競演が記憶に残っている。

ドロテはテクニシャンだし、バランシン・スタイルのために相当な注意を払って踊っているのが伝わってきた。ただやはり彼女の踊りは、例えばオレリーと比べたときに、どうも品に欠ける。クリっとした大きな目、はつらつとした踊り、といいところも多く、パキータやドン・キホーテ、そして現代作品では映える彼女なのだが、どうしてもバランシンのような、究極に本人の踊りのシンプルさが追求された上にそのスタイルを乗っけていくような踊りではアラが目だってしまうような気がした。それでもやはり、あれだけの技巧でこの難しいヴァリアシオンを踊りこなせるダンサーはなかなかいないとは思う。

アレッシオはバランシンには重い感じだ。もっと切れ味のよいシャープなダンサーでないと踊りこなせないような気がする。

しかし二人とも、共演の喜びが伝わってくるような爽やかな空気が漂っていたのは良かった。
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パキータ。
DVD化されたこの作品でも主役をつとめた、ジョゼ・マルティネス/アニエス・ルテスチュが主役、コールドもついて豪華な3幕グランパからの抜粋。
この場面は本当にガラ向きだ。バレエにこういった場面は実に多いが、お話的にはあまり意味がなく(大抵は主役の結婚式である。めでたしめでたし。)、festif(祝祭的)で、まぁとにかく踊りを楽しむ、そういった場面だ。

アニエスのいつもながらのしっかりとしたポワント使いに”やりすぎ感”のないオペラ座流エレガンス、そしてジョゼの身体のラインから生み出されるひたすらに洗練された動き(グランジュテが衰えることなくいつも美しいこと!)。本当に安定した組み合わせである。大好きな二人、引退までたくさん一緒に踊ってほしい、とただただ思うのであった。

余談だが、コールドの衣装の青いほうが、なんだかホタテに見えて仕方ない、とは隣のE氏(笑)
これら手のこんだ衣装も、伝統を誇るオペラ座衣装部の職人技の結晶。本当にどれも美しい。

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そして本日のメイン(勝手に)、ベジャールのボレロ。
もはや伝説ともいえる存在であるジョルジュ・ドンであまりに有名なこの作品、
今宵の主役(「メロディー」)はニコラ・ルリッシュ。


ニコラのボレロを見たのはかれこれ数年前になる。
バスティーユでベジャール特集が組まれた、いつだったかの7月だ。
数年たって、年とともに踊りにさらに円熟味が増していっている彼がまたどう踊るのか大きな期待を持ってのぞんだ。


この作品、人間の身体が、20分かけて楽譜のクレッシェンドの記号を表現しているかのようだ。
静かに現れたダンサーの身体が、徐々にエネルギーを押し出すようにして、赤く、汗をかき、最後には迫ってくる。見るものに視覚的に、そして心理的にも。
身体の無限性をいつも感じる作品だ。身体の、と一般化するより、ニコラの身体の、と言ったほうがいいかもしれない。彼の踊りの持つ底知れないエネルギーにはいつも驚かされるばかりだ。

まわりの男性ダンサー(「リズム」)がいい。
やはり日本のバレエ団がやるときとは、体格が違う。
こういった、身体が視覚的にも楽器となるような作品ではその違いが明らかだ。
最初、男たちは、立っているだけだ。目つきと、上半身だけで「表現」するのだが、その存在の集合は圧倒的だ。
そして、徐々に腰をうねらせる。次に、筋肉が躍動するまでの動きに至る。
「メロディー」を支える「リズム」にこのようなダイナミクス性がなくては成り立たない作品だ、とあらためて感じた。

どれも何度も観たもので目新しい作品ではなかったものの、AROPという寄付・支援団体に対し、古典を保存し現代の作品にものぞむオペラ座の今を伝えるバランスの良いプログラムだったのではないだろうか。
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オペラは完全に割愛。嫌いじゃないですが、めんどくさいので(笑)、オペラ研究の専門家であるてんたまちゃんのブログあたりをごらんくださいませ。

ほんとのところは、幕間にとっても美味しいシャンパンが振舞われて、酔っ払ってしまって(え!?)。
終演後はオペラ座ファン御用達cafe、L'Entracteで一緒に行った4人で乾杯。なかなかこんな風にドレスアップして友人たちと出かける機会なんぞ普段ないものだから、なんだかもうウキウキしてとっても楽しい一夜でした。
Viva オペラ座。
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by chihiroparis | 2010-12-01 01:50 | ballet+danse | Comments(0)

saison 2010-2011 Roland Petit ~狂気のベランガール、衰弱のニコラ(「若者と死」)~

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2010-2011シーズン明けを飾る最初の作品は、ガルニエにてローラン・プティ特集だった。

・Le rendez-vous
・Le loup
・Le jeune homme et la mort

の3作品だったのだが、初日にはデフィレ+Proust ou les intermittences du coeurの二つがさらについてきて、なんとも豪華な幕開けとなった。ゲネプロ・初日(9/24)と二度、そして「若者と死」のみ役代わりを見るために観劇(9/25)した。

☆デフィレの日は、今後帰国するとしばらく観られなさそうなのでいつになくいい席を購入。
いつもは使われない舞台奥まで取り払い、学校生の女の子から始まるデフィレ。
ただ、ただ、ダンサーが奥から歩いてくる、その姿が圧倒的に美しい。
言葉では表わせない、おそらく観たものにしかわからないこの感動。
涙がとまらなかった。なぜ。と思うほど泣いてしまった。
隣のバレエ初見のE氏も「美しいわね~」と涙していて、なんだかそれが私の感動を増大させた。

☆Proust ou les intermittences du coeur
この日特別に上演された作品。


※この記事書きかけです。スミマセン
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by chihiroparis | 2010-12-01 01:35 | ballet+danse | Comments(0)